日本と比べてあらゆるものの値段が安いと感じるハノイですが、特に「マッサージ(スパ)」と「ネイル」の安さは尋常じゃないです。コーヒーやレストランの価格は1/3〜1/5という感じなんですが、この2つに関しては日本の10分の1くらいですね。まぁそれもこれも人件費の安さがなせる技なので、手放しに喜ぶのも考えものなんですけども。

そんな私もつい先日、結婚式に出席する機会がありネイルをお願いしに行きました。これまでにも何度かお願いしたことのあるローカルのネイルサロンで、ベーシックな単色ジェルネイルで14万VND(約700円)、甘皮ケア付き。いやもうこの時点で信じられない値段なんですけどね。日本だったら単色でも5980円は堅いところだと思います。

「ローカルのお店で言葉が通じないんじゃ?」「衛生状態は大丈夫?」なんて不安もあると思うんですけど、言葉に関しては経験上ほぼ問題ないです。ベトナム語が話せたほうがやりとりはスムーズには違いないんですが、写真を見せれば大方イメージは伝わるので。ただし、細部に関しては雰囲気で勝手にやっちゃったりするので、確実に写真通りにしたい!など仕上がりにこだわるのであれば、ネイリストさんの動きに逐一目を光らせて、身振り手振り+Google翻訳でこちらの意図を伝えたほうが確実です。あくまで「一緒に作り上げていく」というイメージですね。共同作業です。私は大抵そこまでこだわりがないので、「こんな感じで〜」と写真を見せて色だけ決めたら、あとはスタッフさんにお任せしてしまっています。衛生状態については、まぁ、個人の判断におまかせします。

で、この日はなぜかサロンの外に大量のスイカが置かれておりまして、それゆえ私は「誰かがここで路上販売しているのかな」と思っていました。しかし、ほどなくしてスイカの前でお客さんが立ち止まると、受付のお姉さんが応対していたことから、「あ、このお店がスイカの販売もしているんだな」ということが理解できました。「なぜネイルサロンでスイカ?」という根本的な疑問はありましたが、お客さんが立ち止まるたびに「スイカ、スイカ」と小声でつぶやきながら小走りに出ていく受付のお姉さんを横目で微笑ましく見ていました。

そして私のネイルも完成。今回はこんな感じでした。

(見本)

(出来上がり)

ね?斜めの向きが逆だったり、ストーンの置き方が微妙に「惜しい!」という感じはあるんですが、けっこういい線いってませんか?お会計は甘皮ケアから全部コミコミで24万5000VND(約1225円)。この値段だったら、大満足の出来です。所要時間はだいたい70分くらい。

そして帰り支度をして受付でお会計を済ませ、さて帰ろうかなといそいそと外に出かけた瞬間、受付のお姉さんが一言。

 

「ちょっと待ってね。施術を受けたお客さんには、スイカをサービスしているのよ」

 

 

 

……え!? なんて!?

 

 

 

スイカをサービス?まるごとのスイカを私に!? いやいや、「ネイルを受けた人にはもれなくスイカをプレゼント!」なんてこれまで聞いたことないんだけど!

戸惑う私をよそにお姉さんは私を店外にエスコートし、「この中からどれでも好きなのを選んで」と促します。「あー……これ食べ切れなそうだし、重いし、断りたいんだけど……」と思いつつも、「せっかく勧めてくれてるのにそれは悪いかな……」とどうにも断りきれず、結局一玉選んで持ち帰ることになりました。張り切ってストーンもつけたから、取れないよう細心の注意を払って帰りたかったのに、私の手にはすでに存在感のあるスイカが一玉。明らかに食べ切れる量ではなかったので、結局は翌日、カフェに持っていってスタッフのみんなで分けてもらいました。

しかし、ネイルの施術を受けに行って、帰り道にスイカ一玉をぶら下げて帰ってくるなんて、誰が予想したでしょうか。やっぱりベトナム、ほんとうに油断できません。

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