酸味,苦味,甘味など、人間が感じる味はさまざまありますが、「とろ味」っていうのもそろそろ加えてもいいんじゃないかっていうくらい、とろっとした食感の食べ物が好きな私。片栗粉最高、コーンスターチ万歳。

そんなとろみ好きの私がどハマりしているベトナムのスイーツが「Chè bưởi(チェー ブオイ)」です。「Bưởi」とはザボンのことで、ベトナムで最もよく食べられる果物のひとつでもあります。「Chè」はベトナムの伝統的なデザートの総称ですね。日本でいうところの「甘味」みたいな感じです。元々は豆やおいもなどを甘く煮たものが始まりとされており、現在はタピオカが入ったり他の果物が入ったりとお店ごとアレンジが加わっています。冷たいものも温かいものもあります。

で、その「ザボンのチェー」はこんな感じです。

 

見て!この中心部のすんごいとろみ感!!それだけでもう満点だよ!!!

 

まぁ、私なんぞはこんな感じで、写真を見ただけですでに興奮状態になるのでありますが、初見の方はよくわからないと思いますので簡単にご説明を。まず、周りに満ち満ちている白いスープ状のものは、ココナッツミルクです。ほどよく甘いです。そして、中央のもったりしている部分。乳白色の細長いかたまりがBưởiです。散りばめられているつぶつぶ状のものはトウモロコシ。後ろに写っているのは氷で、お好みで混ぜながら食べます。

こう聞くと、さらっと「へー、ザボンの実が入ってるチェーなのね」と思われるでしょうが、違うんです。この細長いかたまりはザボンの実ではなく、房と皮の間の白い部分なんです。ザボンをご存じない方、グレープフルーツなど皮がやや厚めの柑橘類を思い浮かべてください。あの、皮と身の間の白いふかふかした部分。あれです。あの部分を使っているんです!いや、なんでそこ?実を使ったほうが早くない?てか、あの白い部分がどうやってコレになるの??

至極まっとうな疑問ではありますが、ひとたび口に運べば、そんなものは風の前の塵に同じ。とろみの前では全てが無力。ただただ、うまい。めっちゃ、うまい。もっったりした中央部分をココナッツミルクで溶きつつ、たまに氷のシャリシャリした食感と冷たさを加えたりして、あーもう、たまらん美味しさです。

ご覧の通り、見た目はえらく地味ではありますが、とろみラバーにはぜひトライしてほしいスイーツのひとつです。

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