はい、というわけで、約束の時間に合うよう急いでバイタクを呼んだものの、道半ばでガス欠になってドライバーのおっさんが足でバイクを漕ぎだし、しまいには坂道の推進力で進もうとしている状況に追い込まれた長島です。なにこれ。改めて説明しててもツッコミどころ多すぎだわ。

前編はこちら

で、そのままスーッと坂道を下った我々ですが、予想通り10mほど行ったところでゆるやかにバイクは停止し、またおっさんの足漕ぎ状態が始まったわけです。約束の時間までの残り9分。さすがの私も、これはマズい、こんなんじゃ話にならん、ってことで腕時計を指差しながら「いや、ちょっと急いでるんだけど!どうなってるの?ガス欠?」って日本語でクレーム。いやこれ余談ですけど、外国で言葉の通じない相手にクレームをつけるときって、もう自分が一番得意な言語で言っちゃったほうがいいんですよ。母語だったり第一言語だったり。変に英語を使ったり(相手が英語を理解しているなら別ですが)、現地語でどうにかしようとするより気持ちが断然乗るから。言葉が伝わらなくても、「あ、なんか怒ってる、やばい」ってことが伝わればいいので。

そしたらおっさんは多分「ガス欠。そこに他のバイタクがたくさんいるから」的なことを言い出してですね。もーこれはダメだ、と思ってスマホを取り出してGrabのアプリを起動したんですよね。そうしたら、足漕ぎが効率が悪いと気づいたのか、はたまた私がクレームを申し立てたからなのか、おっさん今度は降りて歩いてバイクを押しだしたんですよ。

広い道路の真ん中で、おっさんが歩いて押すバイクにまたがってスマホを操作する私。あれ、これ何かで見たことある……。あ、時代劇でお殿様が乗った馬を従者が引いて……

 

これ大名行列じゃん!ハノイでひとり大名行列!

 

そう気づいた途端、一気に恥ずかしさがこみ上げてきたわけですが、時間に追われている今、まずは代わりのバイクを手配せねばならん!それが優先!ということで、ひとり大名行列状態のままGrabのアプリから新たなバイタクをオーダー。幸いにして代わりのバイクはすぐにつかまり、しかも相手は目と鼻の先にいる様子。

よかった!と思いながらバイクを降りるのと同時に、えーと、このおっさんへの支払はどうしよう?距離が半分だから半額?もしかして全額請求されてトラブルになったりするんだろうか?などと逡巡していたら、おっさんが「向こうの側の道路だ、早く行け!」みたいな感じで急かしてくれたので、もういいよね!そういうことだよね!と勝手に以心伝心してそのままずらからせていただきました。いや、だって契約不履行だもん。仕方ないよね。

そして私は新たにつかまえたGrabのバイクに必死の形相で飛び乗り、気のよさそうなメガネのお兄さんに「急いでるのよ、悪いんだけれども早くして」となんとなく英語で頼みつつ、目的地へと向かったのでした。お兄さんの安定したドライビングの結果、2分遅れというダメージで済み、相手にも平謝りでなんとか事を収めることができ、ひと安心。いやー、焦ったー!明らかに再現性の低いアクシデントではあるけれど、もう絶対に時間ギリギリで家をでるのはやめよう、と肝に銘じたのでした。

時間があったら足漕ぎ2.7kmに付き合ってもよかったんだけどね。いやほんとに、貴重な経験でした。

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