「あいうえお」の50音に沿った単語で、ハノイを紹介するシリーズ。今日は「き」。ハノイも含めたベトナムの給料事情をご紹介します。

バインミーが1本15000VND(75円)だとか、鶏のフォーが35000VND(175円)だとか、たびたび物価に驚いてしまうベトナムですが、国民の皆さんはどれくらいのお給料をもらっているのでしょうか。

日本貿易振興機構(JETRO)の「ビジネス短信」の情報を抜粋すると、ベトナム政府は2019年11月15日に2020年の最低賃金に関する政令90号を公布しています。それによると、最低賃金額は地域別に設定されていて、ハノイ市が含まれる「地域1」は月額442万ドン(約2万774円、1ドン=約0.0047円)となっています。ちなみに、この「地域1」にはホーチミン市やハイフォン市も含まれており、軒並み主要都市で月給の平均が3万円を下回るくらいなのですね。さらに、2018年時点のベトナム労働総連盟の調査では、ベトナム人の平均年収は約30万円、平均月収は約2万7,000円という結果が出ています。

日本の国税庁による日本人の平均年収が441万円ですから、およそ14倍もの開きがありますね。しかし、じゃあ現地で生活していて生活コストが1/14で済むのかと言われたら、そんなにかけ離れている実感もありません。せいぜい、1/3〜1/5くらいかなぁといった感じです。だとすると、現地で暮らす方々は物価高で大変なのではないかなぁと思います。

しかし一方で、この「ベトナム人の平均年収は約30万円、平均月収は約2万7,000円」というのはあくまで「平均」なんだよなぁとも思うわけです。以前、目の前のステージで繰り広げられる歌謡ショーを見ながらお酒が飲めるというミュージックパブ?レストラン?を友人達と訪れたのですが、そこのドリンクの値段が、まぁビール1杯1000円ですとか、けっこう攻めるよね、という価格設定だったんですよ。で、まぁこれは当然観光客、外国人向けだよなと思って店内を見回したら、ベトナム人のお客さんもそこそこいて、さらには若い子達も見受けられるわけです。

いやー、これにはとても驚きました。だって、月収2万7,000円の人が1杯1000円のビール飲むって、日本人でいったら1杯1万4000円のビール飲むのと同じなんですけど、ってことですよね。だからね、やっぱりどこの国でもそうですが、ずば抜けたお金持ちって存在するんですよ。ベトナムにもめちゃくちゃなお金持ちは存在していて、その人達の給料も統計には含まれているわけですから、あまり「平均値」というものには意味がないのかなぁと。かたや、カフェスタッフの女の子たちは時給2万5000VND(125円)で働いていたりしますしね。相当な二極化が進んでいるんじゃないかなぁ、と思ったりします。

とはいえ、ベトナムの経済発展が目覚ましいのは周知の通りですから、この最低賃金額もどんどん底上げされていくことと思われます。実際、2020年は前年比で月額5.5%の平均引き上げ率となっていますからね。ちなみに、高度人材ビザを取得して日本で就労したいというエンジニアの学生達は「給料は最低20万円は欲しいです」と言っていました。ベトナムの平均月収の約7.5倍。ジャパニーズドリームです。

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