先日、実家のキッチン床下収納から発掘されたモノ。Made in New Zealand。現在でもニュージーランド土産の一角を担う、キウイのワインである。これは大学時代に夏休みを利用した短期留学の際に購入したものだから、もうかれこれ十数年前の代物であり、期せずして年季モノへの道を歩みつつある。ワインに賞味期限はないというけれど、本当に大丈夫なんだろうか。そんな思いから、開けるのも気が引ける、かといって捨てるのはもっと気が引ける、という抜き差しならない状況に置かれた代物である。
今回、久々にこのワインと対峙した私は、ラベルに製造元の住所が記載されていることに気がついた。さすがにもうワイナリーはなくなってるでしょ、と思いつつGoogle Mapで検索してみたところ、なんと今は「Hallertau Brewery」というクラフトビールのお店になっていた。レストランが併設されており、中でビールとともに食事も楽しめるらしい。HPもきちんとしており、ストリートビューではかなり細部まで様子がわかった。何ならクリックでぐんぐん店の中にまで入れてしまい、「え、いいの?」とこちらがやや怯んでしまったほどだ。
「Hallertau Brewery」はオークランドの北西約25kmの場所に位置し、車で20分ほどで行くことができるようだ。少し時間はかかるが、バスを乗り継いでも行けるらしい。しかし、住所ひとつでこんなことが即座に分かってしまうなんて、現在のテクノロジーというものはすごい。これも何かの縁なので、次にニュージーランドを訪れた際にはぜひ、立ち寄ってみることにしよう。ビール好きの私にとっては思わぬ収穫であった。私はホクホクしながら、ワインをそっと元の位置に戻したのであった。